掛仏、かけぼとけ。
平安時代のもので銅製。
先日、東京国立博物館に初めて行きました。
建物そのものも立派、本館前のユリノキも立派、もちろん展示も。
博物館は滅多に行きません。歴史ものには苦手意識もありました。
ただ、ものを見たり文字を読んだりするのは好きなので、友人に誘われ、いい機会だと思い行くことにしました。
学生時代のように「覚えなければ」という義務感がないため、小学校、中学校、高校の授業で学んだおぼろげな記憶を頼りに、「覚えてる!」「綺麗だな」「すごい技術だな」と単純な感想を浮かべながら鑑賞です。
何時代に、この人が、こんなことをした。この時代の次はこの時代。
そういう基礎があれば、もっと楽しさがあったのかもしれませんが、残念ながら自分の記憶はそこまで優秀ではなく、説明文を必死に読みながら、時には、説明文をあえて読まずに想像して楽しみました。
また、鑑賞する中で感じたのは映画やアニメ、漫画など物語を作る人の凄さです。
私はジブリが好きなのですが、宮崎駿監督の作る世界観は、色々な時代、国、文化、芸術を知っていなければできないだろうと感じました。
人の頭の中の想像だけであのような作品を作ることができるのであればそれはもう天才です。そうではなく、自分がどれだけ「知っている」かを武器に作っているのだと思います。
実際に、作品制作の取材や解説本などで、モチーフになった時代や文化が述べられていることがありました。
「知ること」は自分の武器になる。
実は私の恩師も同じことを教えてくれました。
興味があろうがなかろうが「知っている」だけで戦うことができるし、戦うステージそのものが増える。
東京国立博物館に行って、少しは武器を持つことができたかなと思うと同時にこのように考えるきっかけをくれた友人、恩師に感謝の気持ちでいっぱいです。
まとまりのない文章になってしまいました。
写真は展示の最後のほうに見て思わず、ふっと気持ちが緩んだ掛仏です。